心理カウンセラーってどんな仕事?

自分の人生は自己責任で

落ち込んでいる人に対して「頑張れ」という言葉をかけるのは厳禁だということは数年前から一般にも広く知られるようになって来ました。

 

これはカウンセラーにとっても非常に大切なことです。

 

未熟なカウンセラーは、患者に対してつい「○○した方が良い」などと言ってしまうことがあります。

 

ところが、患者が自分自身で決めたことではないと、「あなたが○○した方が良いと言ったせいで」というやりとりになりかねません。

 

このような患者へのアドバイスは時にカウンセラー自身を追い詰めることになります。

 

いつまで経っても患者に気付きが見られない。

 

前向きな態度に変わっていかない。

 

何の反応も見られない。

 

そんな状況に追い詰められて、カウンセラーも自分自身の無力さに嫌気がさして来てしまうのです。

 

そしてつい、「頑張れ」と言ってしまうこともあります。

 

しかし、「頑張れ」はやはり禁句です。

 

それに、そのような言葉しか発することができなくなると、カウンセラー自身も自信を失ってしまうでしょう。

 

私の知り合いにも引きこもりを体験したことのある人がいます。

 

当時彼は親の言う通りに生きる事に対して戸惑いを感じていました。

 

学生時代は親の命令通りに進学校に通わされ、彼自身も何の疑いもなく、「いい子」を演じていたのです。

 

ところがある時、彼の中で何かがぷつんと途切れたそうです。

 

自分は誰の人生を歩んでいるんだろうと感じた瞬間だったと言っていました。

 

彼が引きこもるようになってから、彼の親は無理矢理彼を引きずってカウンセリングを受けさせるようになりました。

 

初めの内は固く口を閉ざしていたそうですが、次第に彼は本心を話すようになり、親の言う通りにして来たのに、彼が失敗したことについていつも彼の努力不足だと罵られたことに酷くショックを受けていたことが分かりました。

 

彼がもし初めから、何の指図も受けずに彼自身の人生を歩んで、そんな中で同じ失敗をしていたらどうなっていたでしょうか。

 

恐らく引きこもりになることはなかったと思います。

 

人生は自己責任で送るものです。

 

だからこそ辛さからは逃げられないことを自覚することができますし、しっかりと自分の人生と向き合うことができるようになるのです。

 

ところが、親の言う通りに生きていては、どこに責任をぶつけたらいいか分からなくて戸惑ってしまいますよね。

 

ですから、カウンセリング時にもカウンセラーが指示することはせずに、患者が自分自身と向き合っていけるように、彼らの不安や心細さを理解し、サポートすることが大切なのです。

 

それと同時にカウンセラー自身も権威に頼ったり、傲慢にならずに謙虚な気持ちで患者の気持ちに寄り添う姿勢が求められます。

 

カウンセラー自身も日頃から自分自身と向き合っていないとやっていけません。

 

その上で、患者の心の裏側にある気持ちを上手に汲み取りながら、患者のことを辛抱強く信じ続けることがカウンセラーの極めて大切な仕事だと言えるでしょう。