心理カウンセラーってどんな仕事?

カウンセリングで大切なこと

私の知り合いのカウンセラーの話ですが、以前に関わったことのある印象的な患者について話してくれたことがあります。

 

その患者は成人した男性で、母親に引きずられて彼女の相談室にやって来たのだそうですが、その時の態度があまりにも攻撃的で乱暴だったそうです。

 

入口で乱暴に靴を脱ぎ捨ててふてぶてしい態度でいる所を見た時には内心厄介な患者が来たなあと思ったそうです。

 

患者の中には、このように初対面であるにも関わらず、攻撃的な態度をする人がいて、それはワザと威嚇することで、こんな自分でも受け入れてもらえるのかと挑戦しているのだということでした。

 

患者の中にはこんな風に心を閉ざした状態で訪れる人がたくさんいます。

 

いくらカウンセラーという職業に就いている人が相手だとしても、人間に対する不信感を抱いた患者の場合はそう簡単に初めから心を開いて接してくれません。

 

いざカウンセリングを始めようとしても、

 

「誰がカウンセリングしてって頼んだんだよ。」

 

というような態度をされ、母親は言葉を失ってしまったそうです。

 

もちろんカウンセラーである知り合いとしても、自身の力量を試されているようで内心どきどきしていたと言います。

 

しかし、カウンセラーである以上、例え第三者の立場であろうとも、この関係に踏み込んで行かなくてはなりません。

 

どうしても、苦手なタイプの患者はいるし、自分に都合の良い患者だけと接したいと思ってしまいがちですが、この時彼女は自分がカウンセラーになった時のことを思い出したそうです。

 

自分が何故カウンセラーになろうとしたのか、その事を見つめ直す良いきっかけになったと言います。

 

そして、この患者から、学ぼうと思ったそうです。

 

患者の方もたらい回しにされ続けた後の相談室で、諦めに近い感情を持っていたのでしょう。

 

まるで探りを入れるかのような視線で、自分の人生の責任を取れるかどうかを訴えかけてきました。

 

人の心は繊細にできています。

 

心を開かせて、傷に触れるというのはかなりの責任を伴うことです。

 

ですから、カウンセラーはただ心を開かせるだけではなく、開いた心をそっと閉じることも忘れてはいけません。

 

向き合うと心に決めたら、途中で投げ出すことなく最後までその患者と接して行く覚悟が求められているのです。

 

結局、この患者は次第に自分の事を話し始めるようになり、その先数年間の付き合いを経て、元気になられたそうです。